2007年11月16日
旭化成ケミのAN生産量、12月中旬から縮小
水島の1号機をメタクリロニトリル用に暫く利用
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:旭化成ケミカルズ

 旭化成ケミカルズは、12月中旬から同社水島工場内でメタクリロニトリルの製造を再開する。同工場内で稼動中のAN(アクリロニトリル)プラント2系列のうちの年産10万トン能力の第1号機を使って生産する。これに伴い、同社のANの国内生産量は当分の間およそ22%縮小することになる。

 メタクリロニトリルはイソブチレンとアンモニアの合成品で、マイクロカプセル用のコモノマーが主用途。ANプラントでの切り替え生産が可能で、このため同社ではかねてから2年に一度の割合で3〜4ヵ月間ANの生産を中断して集中的に同モノマーを製造するようにしてきている。今回も供給責任を維持していくため、期間を限定して小型のANプラントを同モノマー専用に活用していくことにしたもの。

 現在のANの需給バランスは、全世界的にかなり窮屈な状態にある。ABS樹脂向けを中心に需要が順調に伸びていて、総需要量が総設備能力を上回る状態となっているためだ。それだけにAN大手の旭化成ケミカルズの生産の縮小は、中国をはじめとした国際市場に一段とタイト感を広めることになる。