2007年11月21日
塩ビ樹脂の10月の出荷、3ヵ月振りの前年超え
国内向けの不振を輸出の大幅増がカバー
【カテゴリー】:実績/統計(行政/団体、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会が21日に明らかにしたところによると、塩ビ樹脂の10月の総出荷数量は190,960トンで前年同月の実績を1.1%上回った。3ヵ月振りの前年同月超えである。国内向けの不振を輸出がカバーしたことによるもの。国内向けは116,577トンで、前年同月を3.8%下回り8ヵ月連続の前年同月割れとなった。

 この背景について土屋隆・同協会会長(東ソー社長)は「圧倒的多数を占める建築・土木分野の需要が住宅着工件数の減少と着工確認申請の処理の遅れが響いて引き続き前年を下回っていることが大きい」と指摘する。硬質用の同月の出荷量は65,353トンで前年同月を4.6%下回り、前年同月割れが8ヵ月連続に伸びている。

 一方の輸出は74,383トンで前年同月を10.0%上回り、国内向けの落ち込みを補った。輸出は今年に入ってからの10ヵ月全てが前年同月超えとなっている。これは、「最大の消費国である中国以外の国々、エジプト、ドバイ、インド等からの引き合いと注文が大幅に増えている」(同会長)ことによるもの。

 今年の総出荷量がどのていどになるかについて同会長は、「輸出は引き続き順調に伸び年計では85万トン前後になると見られるが、一方の国内向けは130万トンを若干割り込む公算で、従って年計の総出荷量は215万トン前後にとどまるのではないか」と慎重な見方をした。輸出は前年の実績を10万トン強上回るが、国内向けが6〜7万トン下回って合計では4〜5万トンの増加になるとの予想である。

 国内向けの出荷では「塩ビサッシの普及が順調に進んでいてレジンベースでは前年を3割ていど上回る出荷が続いているのが明るい材料」と述べ、「今後も普及促進に協会を挙げて一層力を入れていきたい」とした。

ニュースリリース参照
○塩ビ樹脂
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1195622697.xls