2007年11月22日
三井化学、アジアにおけるBPAの生産体制を強化
2011年には3極で総設備能力を年71万トンに
【カテゴリー】:経営(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は22日、BPA(ビスフェノール-A)の生産体制をアジア地域で大幅に拡充すると発表した。現在の年産総設備能力は日本とシンガポールを合わせて44万トンだが、2011年末までにシンガポールと中国で新・増設を実施して3極トータル71万トン体制を確立することにしている。
 
 現在の同44万トン体制は、大阪工場の65,000トン、名古屋工場の55,000トン、市原工場の90,000トン、シンガポール工場(ミツイ・ビスフェノールシンガポール)の230,000トンの各プラントで構成されている。アジア地域では〓1、世界では〓2の規模となっている。
 これらの設備は、いずれもPC(ポリカーボネート)を中心としたアジア地域全域における需要の順調な拡大を支えにかねてからフル稼働を続けており、早期の拡充が必要となっていた。
 
 このため同社では、上海でSinopec(中国石油化工)との共同投資によって120,000トン能力の新鋭プラントを建設中で、来年6月には完工の予定。営業運転の開始時期は第4・四半期となる見通し。Sinopecとは原料のPH(フェノール)についても共同投資を協議中。
 加えて、シンガポールには最新技術による15万トン設備をPHの30万トン装置と合わせて増設する計画。現在はFS(フィージビリティスタディ)を進めているところで、来年3〜4月には着工できる見通し。2010年度中の稼動開始を目指していく。
 こうした一連の海外投資によって合計27万トンの増産体制を整え、2011年末までに合計の供給能力を71万トンに拡大するというのがが現在の計画。これが実現すると、同社のアジア地域におけるBPA部門の国際競争力は一段と強固なものになると同社では説明している。