2007年11月29日
日立化成、半導体用CMPスラリー生産能力を5割増 1万5,000トンに拡大
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:日立化成工業

 日立化成工業は29日、半導体デバイス製造工程(CMP工程)で使用される研磨材料で、半導体の素子分離方法の一つであるSTI(Shallow Trench Isolation)用及び銅配線用のCMP スラリーの生産能力を2008年1月から段階的に増やし、同年6月までに現在の約50%増強すると発表した。総投資額は約35億円。

 CMP(Chemical Mechanical Planarization:化学的機械研磨)とは、半導体の素子分離工程や回路形成工程で発生した凹凸を研磨、平坦化する技術で、CMPスラリーはにれ使用される研磨液。またSTIは、シリコンウェハー上の何百万個もの半導体素子を電気的に絶縁する素子分離方法の一つで、同社は1998年から酸化セリウム粒子を採用したCMPスラリーを実用化し、研磨速度の速さと研磨傷の少なさを武器に売上を拡大してきた。
 
 2004年には、従来比2倍の平坦性を実現した高性能のSTI用CMPスラリーを実用化し、06年には、自己活性型酸化セリウム粒子系CMPスラリーの基本特許を取得するなど、これまでシリカ系スラリーでは達成できなかった微細加工を可能にした。

 半導体市場は、フラッシュメモリーなどの需要がいぜん好調な上、電子機器の小型化と高性能化に伴う微細配線の増大から、CMPスラリーの需要が増えている。

 このため同社は山崎事業所(茨城県ひたちなか市)に約35億円を投じて生産設備を増強することにした。増強は2008年1月から段階的に行い、同年6月までに現在の約50%増に当たる年間約15,000トンに拡大する。5年後の売上高250億円を目指す。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1196303609.pdf