2007年11月29日
三井化学、PTAの減産を強化へ
当面の生産を設備能力比2割減に
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学はPTA(高純度テレフタル酸)の当面の生産量を設備能力比80%に抑えていく方針を固めたことを29日明らかにした。

 現在も10%程度の減産を実施しているが、出荷の多くを占める中国向けの輸出価格が低水準に抑えられていて原料PXの高騰に伴う採算割れを回避できる見通しが立たないため減産率を20%に引き上げることにした。

 日本とタイの両国の設備の稼動調整によって狙いを実現していく。インドネシアに保有しているプラントは、生産量の全てが同国内で消費されるので調整の対象から除外する。 

 わが国のPTAメーカーの中では、三菱化学が中国・寧波の新プラントの運休を含めて全体で約30%の減産に踏み切っている。今回の三井化学の減産はそれに次ぐ規模となる。同社によると、中国向けの輸出依存度の高い韓国や台湾のPTAメーカーも相次いで減産に踏み切りつつある。

 また中国国内のPTA大手メーカーも需要の伸び悩みと販売価格の低落から生産調整に乗り出す傾向にある。こうしたPTA大手の減産が定着すると当面の東アジア全域のPTAの生産量は、これまでの70%前後に絞られることになりそうだ。

 こうした状態がさらに継続すれば、中国向けの輸出CFR価格がPXやMEGの価格見合いのレベルに戻る可能性も出てきそうだ。