2007年12月04日
SPDC、アジア向けL-LDPE価格を大幅引き上げ
中国向けは1,440〜1,450ドルで史上最高値に並ぶ
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 サウディ石油化学(SPDC)は、L-LDPE(QAMAR)の中国ならびに東南アジア諸国向けの12月の価格を大幅に引き上げることでこのほど各地の需要家各社の同意を取り付けた。
 
 中国向けはトン当たり80ドル、東南アジア向けは同60ドル引き上げる。中国向けは、ナチュラル品種がCFR1,440ドル、高透明品種が同1,450ドルとなる。東南アジア諸国向けはナチュラル品種が同1,430ドル、高透明品種が同1,440ドルに引き上げられる。
 同社が輸出するL-LDPEは、日・サ合弁石油化学企業であるシャルクが製造する気相法直鎖状低密度ポリエチレン。長年にわたって中国を中心とするアジア地域でプライスリーダとしての地位を維持してきている。
 ただし、これまでは比較的おだやかな価格政策を続けてきており、今年に入ってからの月単位の上げ幅は10〜20ドルの範囲内が多く、7月に実施した30ドルが最高額となっている。今回のような大幅な値上げはきわめてめずらしケース。中国向けの1,440〜1,450ドルは88年夏に記録した史上最高値に並ぶ。
 
 大手商社によると、アジア地域におけるL-LDPEの需要は引き続き前年比2ケタの伸びを続けている。うち最大の消費国である中国では国産品で賄える量がごくわずかなため多くを輸入品でカバーしている。今年1月から10月までの総輸入量は141万2,008トンで、前年同期を13.2%上回っている。11月以降もSPDCなど同樹脂大手に対する引き合いが活発で、このためSPDCの今回の提示価格もすんなり受け入れられたという。