2007年12月06日
新日鐵化学、 NEDOの「有機EL照明技術開発」に赤色・緑色燐光材料供給
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:新日鐵化学

 新日鐵化学は6日、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)から、松下電工株など3社が受託した「有機発光機構を用いた高効率照明技術の開発」に、同社が開発した赤色および緑色の有機EL燐光材料を供給することになったと発表した。
 
 同プロジェクトは、高効率有機EL発光デバイスの開発によって、白熱電球や蛍光灯など既存光源の代替を図り、家庭でのエネルギー消費削減を目指すもので、こうした照明の高効率化の実現には、現在使用されている有機EL蛍光材料に比べ、理論的に4倍のエネルギー変換効率を可能にする、燐光材料の活用が必要となる。
 
 同社は、この燐光材料の開発に早くから注力し、2004年には世界に先駆けて赤色燐光材料の開発に成功し、携帯電話のサブディスプレイに搭載された。また、2006年末には緑色燐光材料の開発に成功し、現在、ディスプレイ製品に搭載するための検討に入っている。
 
 今回、NEDOのプロジェクトに、燐光材料を供給することで、高効率有機EL照明技術の開発に大きく貢献できると期待している。
 
 新日鐵化学は、複素環式芳香族化合物や、医農薬中間体などの蓄積技術を活かして、早くから有機EL材料の事業化に取り組んできた。独自開発した昇華精製技術、不純物コントロール技術など、超高純度の製品を安定的、大量に製造できる設備・技術は業界トップクラス。燐光材料では世界初となる実用化もあり、これまでに多くの採用実績をあげている。
 
 2004年には、従来の蛍光材料に比べて、大幅に発光効率を改善した赤色燐光材料を開発し、米国・UNIVERSAL DISPLAY CORPORATION(UDC)が開発した材料との組み合わせにより、世界に先駆けて実用化に成功。2006年末には、緑色燐光材料の開発にも成功、さらに青色燐光材料の開発により、オール燐光材料による有機ELデバイスの早期実現を目指す。
 
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1196918283.pdf