2007年12月07日
ポリオレフィンのアジア相場が急上昇
中国など市場に先行き供給不安感が広がる
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社筋によると、中国をはじめとしたアジア地域向けのポリオレフィンのスポット価格がここにきて軒並み高騰してきた。
 
 輸入量が最も多い中国のCFR価格を例にとると、各樹脂の直近のトン当たりの平均価格は、HP-LDPE(高圧法低密度ポリエチレン)のフィルム用品種が1,620〜1,630ドル、L-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)のフィルム用グレ−ドが1,440〜1,460ドル、HDPE(高密度ポリエチレン)のフィルム用品種が1,520〜1,540ドル、PP-H(ポリプロピレンホモポリマー)のヤーン用が1,420〜1,430ドル、同樹脂の射出成形用とPP-C(ポリプロピレンブロックコポリマー)の射出成形用がともに1,390〜1,430ドルとなっている。

 2週間前に比べての上げ幅は、HP-LDPEが50〜60ドル、L-LDPEが80〜90ドル、HDPEが90〜100ドル、PP-Hが50〜70ドル、PP-Cが40〜50ドルとなっている。

 最近ではめずらしくどの樹脂も上げ幅が大きい。中でもL-LDPEとHDPEのアップ率の高さが目立つ。これには北米からの流入が同国のエチレンの需給タイト化に伴って激減してきたことや、中国の大手加工企業の多くが先行きの供給量と価格に不安観を強めてこれまでになく積極的に在庫補充に動き出したことが大きく作用していると見られている。
 商社の多くは、サムソントタルのPPを除いてここしばらくポリオレフィンの新増設が途絶えていることもあって、今後もしばらくのアジア市況は高水準で推移すると予想している。