2007年12月10日 | ||
東ソーの田代会長と社長が定例記者会見 | ||
「機能商品とビニル・イソシアネートの両輪拡大」強調 | ||
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:東ソー |
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東ソーの田代圓会長兼CFOと土屋隆社長は7日、都内で定例記者会見し、東ソーグループの経営の現状と今後の成長戦略について概要を語った。 この中で両首脳は「スペシヤリティ製品とコモディテイ製品の両事業をバランスよく成長させ、早期に年間連結売上高1兆円規模のハイブリッドカンパニーを実現したい」と述べ、そのために新技術・新製品の開発と設備の新増設に引き続き積極的に取り組む姿勢を示した。 両首脳の発言要旨は以下の通り。 【田代圓会長】 (1)07年度上期の業績は、連結ベース、単独ベースとも売上高・営業利益・経常利益・当期純利益の全てが過去最高となった。これには、バイオサイエンス、有機化成品、機能材料、電子材料、環境分野、高機能ウレタン分野の計6部門で構成される「機能商品」事業が売上高、収益とも大きく伸びたこと、また「基礎原料」、「石油化学」両事業部門における製品価格の是正が進展しも大きく寄与した。 (2)機能商品部門の07年度上期の営業利益は、全体の67%を占め業績向上に大きく貢献した。下期も順調に推移しており、通期の連結売上高は約3,200億円に、営業利益は420億円となる見通しだ。 機能商品の中には、現在の設備能力では旺盛な需要に対応できなくなっているものも少なくない。ハイシリカゼオライトやジルコニア粉末などがそうだ。 このため先ずこれら2つの製品の生産体制を大幅増強する。ハイシリカゼオライトは、来年12月に四日市事業所内に年産1,100トン設備を、またジルコニア粉末は同じく来年末に四日市に同550トンプラントを建設する。これでハイシリカゼオライトの総生産能力は既存の南陽事業所の設備と合わせて同2,200トンとなる。ジルコニア粉末は同1,850トンに拡大する。 (3)一方、ビニル・イソシアネート・チェーンは、中国を中心としたアジア地域の需要拡大にタイムリーに対応していくため、生産体制の拡充に取り組んでいる。11月末には東ソー・南陽事業所に毎時8,000立方メートルの一酸化炭素設備と年産15万トンのアニリンプラント増設が完了、これに合わせて関連会社の日本ポリウレタンが同20万トンのMDIプラントの2号機を完成した。この結果、いずれの製品も生産能力が一気に2倍に拡大した。同事業所内では、これらに加えて自家発電設備とか性ソーダ装置の増強工事も進めている。増強規模は前者が22万キロワット、後者が年産15万トンで、完工後の能力は前者が82万9,000キロワット、後者が110万5,000トンとなる。 これら一連の設備投資によってビニル・イソシアネート・チェーンでのアジア地域ナンバーワンの地位をさらに強化していきたい。 (4)これら中核部門には今後も思い切った設備投資と開発投資を実施し、コモディティ部門とスペシャリティ部門の両輪をバランスよく拡大させ、念願の年商1兆円規模のハイブリッドカンパニーを早期実現させたい。 (1)東ソーグループはこれまで「環境に適応し常に進化する企業群」、「豊かな収益力を持つ企業群」、「全社員が能力を出しきっている企業群」の3つを基本理念に業績の拡大に取り組んできた。さいわい、全社員の努力でいずれのテーマについても着実に成果が上がってきている。進化指数もおおむね狙い通りの数値を確保できている。 (2)今後もこれらの基本理念の実現にグループの総力を傾注していきたい。ついては、新製品の開発に思い切った投資を実施していくとともに、その成果を円滑に工業化していくための設備投資にもこれまで以上に積極的に取り組んでいきたい。時機を逸することなく、よりスピーディに運ぶようにしたい。 ハイシリカゼオライトやジルコニア粉末の設備の増強だけでなく、ポリエチレンの新グレードの開発と育成、スパッタリングターゲットや合成石英や自動診断システムビジネス等の一層の拡充、さらに石化原料の多様化や未利用留分の有効活用等についても、これまで以上にエネルギーを投入していきたい。 (3)そうした努力によって、できるだけ早い時期に年間売上高1兆円を達成し、世界の化学企業のトップ10の仲間入りを果たしたい。 |