2007年12月10日 | |
シーケム 、炭素材料ニードルコークス・ピッチの生産能力を増強 | |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:新日鐵化学 |
|
新日鐵化学グループのコールケミカル事業会社シーケム(本社:東京都千代田区、見越和宏社長)は10日、炭素材料「ニードルコークス」および「ピッチ」の生産能力を約20%増強することを決めたと発表した。 また、主原料となるコールタールの蒸留設備も現有年産80万トンから、世界トップクラスとなる90万トンへ増強する。 総投資額は約50億円、すでに一部工事に着手しており、2008年夏から09年秋にかけて完成する。 「ニードルコークス」と「ピッチ」は、世界的に旺盛な鉄鋼需要を背景に、生産量が増加している製鉄電炉用人造黒鉛電極に使用されている、最近は、人造黒鉛電極の大口径化・高級化が進み、品質要求も高度化している。 同社のニードルコークスは品質評価が高く、半導体や太陽電池市場の成長に伴い、特殊炭素製品向けコークスや、「ピッチ」需要も好調が続いている。こうした需要の伸びに対応していくため今回の増設決定となった。 一方、主原料のコールタールは、新日鐵および住友金属工業グループから、安定的に調達していますが、世界的な鉄鋼需要の増大に対応するために、新日鐵大分製鐵所をはじめ、相次いでコークス炉が増強されることから、コークス炉から副生されるコールタールの発生量の増加が見込まれている。 記者会見した見越社長は「 現在、世界のニードルコークス・メーカーの生産能力は約90万トンだが、需要は100万トンに増えており、需給ギャップは広がりつつある。当社の世界シェアは現在の11%から増強完了後は13%へと拡大するが、新日鉄化学グループのカーボンワールド発展のためにも、しっかり供給責任を果たしていきたい」と語った。 <能力増強の概要> (1)ニードルコークス生産能力(九州工場)= 年産10万トンを12万トンに (2)ピッチ生産能力(広畑工場)=年産6万トンを8万トンに (3)コールタール蒸留能力= 年産80万トンを90万トンに 【株式会社 シーケムの会社概要】 ◇ 設 立:2004年10月 ◇資 本 金:300百万円(新日鐵化学 65% エア・ウォーター社 35%) ◇本 社:東京都千代田区外神田4丁目14番1号 秋葉原UDX13階 ◇工 場:九州、広畑、鹿島 ◇売 上 高:約400億円 (2007年3月期) ◇事業内容:炭素材料(ニードルコークス、ピッチ、カーボンブラック原料油等) ・タール精製品および誘導品(ナフタリン類、無水フタル酸、タールファイン製品等)の製造、販売。 |