2007年12月11日
高橋・昭電社長会見、07年度売上高1兆円、中計目標超過達成
HDの世界シェア「垂直量産化」で大幅拡大
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:昭和電工
高橋恭平社長

 昭和電工の高橋恭平社長は11日記者会見し、3カ年中計「プロジェクト・パッション」2年目の2007年度は業績が順調に伸び、連結売上高1兆円、営業利益740億円となり2年目の目標をほぼ達成した、と語った。営業利益、期末有利子負債、D/Eレシオなどもそれぞれ計数目標を超過達成する見込みだ。
 
 セグメント別売上高を中計目標値と比較すると、(単位:億円)
 ・石油化学 3,800(目標値2,770)
 ・化学品  800(同840)
 ・電子・情報 2,000(同2,410)
 ・無機   800(同700)
 ・アルミニウム他 2,600(同2,680)
 
となり、石油化学部門の売上が目標を大きく上回っている。高橋社長は「石化製品やアルミは、原料価格上昇分を製品価格に転嫁した結果、予想以上に売上が増えた。原料価格の上乗せ分は1000億円はあると思う。売上1兆円といっても、実際には9000億円だ」と控えめだった。

 07年度に実施した事業強化策として、HD(ハードディスク)事業で大型投資を行い「垂直磁気記録方式による世界最高容量HDの量産」を開始したこと、大分コンビナートに新鋭分解炉の新設を決めた、レアアース事業で中国に第2の磁石合金生産拠点を竣工し、年産8000トンと世界最大の生産体制を確立した、黒鉛電極では日米2拠点に大口径品の供給体制を強化し、年産1.5万トンから2.5万トンに増強した、など9項目をあげた。「設備投資額は合わせて803億円にのぼったが、いずれも今後の成長に向けた重要施策だ」とした。
 
 成長戦略では、業界再編が進むHD事業で「垂直量産化」をいち早く行い、世界の中でのシェアを拡大した。全メディア出荷量に占める昭電のシェアは、2006年第3四半期の19.4%から2007年第3四半期には23.4%に上昇。とくに高成長が続くCEマーケットでは07年第3四半期のシェアが40.8%で世界のトップとなった。
 
 高橋社長は「HD業界は競争が激しいが、当社の製品は技術の優位性に裏付けられているので、これからもタイムリーに設備を増やしユーザーの期待にこたえていきたい」と強い自信を見せた。
 
 さらにその先の「次世代成長ドライバー」として、「超高輝度LED素子量産化」「カーボンなのファイバー」などの期待の製品名をいくつかあげた。「高輝度4元系LED素子は、08年末には月産2億個体制になる。液晶テレビなど市場が立ち上がる2010年には4億個に増強する予定だ」と、楽しそうな表情だった。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1197348283.doc