2007年12月12日
米国でプロピレン価格が暴騰
11月のCPは1,350ドル、12月も続騰の恐れ
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社ならびに大手石油化学企業筋によると、米国でプロピレンのコントラクト価格(USCP)が急騰している。11月のCPはトン当たりに換算すると平均1,350ドルで、10月に比べると160ドルもの上昇となっている。最近のボトムの9月に対比すると220ドル高ということになる。

 米国のリフアイナリー大手や石油化学企業の多くは、PPメーカーやPOメーカー、さらにはANメーカーなど大手需要家に対して12月分も値上げする考えを表明して受け入れを迫っている。中にはポンド8セント(トン180ドル弱)アップを提示するところもある模様。しかし需要家各社は、これ以上にプロピレンが上がると製品への転嫁が不可能として強く反発していて話し合いは膠着状態に陥っている。

 ここにきての米国におけるプロピレンの高騰は、原油価格の上昇に伴って米国国内の石油化学企業がエタン分解の比率を極限まで引き上げてきたためプロピレンの生産量が急速に縮小してきたことや、石油精製企業が原油の高騰によるコストアップ分をFCCプロピレンの価格にそのまま転嫁してきたこと、さらにはBASFのメタセシス装置の定修後の立ち上げが予定より2週間遅れたことなどいくつかの要因が重なったことによるものと見られている。12月にさらにCPが引き上げられると、誘導品メーカーの間で減産に踏み切るところが出てくることになりそうだ。