2007年12月20日
日産化学、小野薬品に「血小板減少症治療薬」ライセンス
【カテゴリー】:経営(ファインケミカル)
【関連企業・団体】:日産化学

 小野薬品工業と日産化学工業の両社は20日、日産化学が創製した新規の血小板減少症治療薬に関するライセンス契約を締結したと発表した。 小野薬品は同剤の全世界における独占的な開発・販売権を取得し、日産化学は小野薬品から契約に伴う一時金、開発段階に応じたマイルストーンおよびロイヤリティの支払いを受ける。
 
  小野薬品は2009年に開始予定の第1相試験に向けて、来年第1四半期にも前臨床試験を実施する。日産化学は原薬の開発・製造を担う。
 
  血小板は、血液に含まれる血球成分の一つで、出血時の止血に重要な役割を担っている。現在、日本では血小板減少症の一般的治療法として、血小板の輸血が広く行われているが、これには感染のリスクが伴い、最近は血小板自体の供給不足も深刻化している。
 
  同剤は、体内で血小板の産生を促進する造血因子であるトロンボポエチンの受容体を活性化することにより血小板を増加させる、経口投与が可能な低分子化合物。すでに基礎研究段階で有効性および安全性が確認されていることから、両社は、同化合物を血小板減少を伴う種々疾患の出血リスクの軽減に有効な薬剤として、また、血小板輸血に伴う感染リスクを克服する薬剤として期待している。