2007年12月21日
宇部興産、過酸化水素会社を三菱商事と共同経営
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:宇部興産
宇部ケミラ工場

 宇部興産と三菱商事の両社は、2008年1月1日から過酸化水素合弁会社の共同経営を行うことで合意したと21日発表した。
 
 宇部興産は1989年、フィンランド・ケミラ社と50:50の合弁で宇部ケミラ(山本修二社長)を設立し、過酸化水素の製造販売を行ってきたが、今回、ケミラ社所有株式をいったん宇部興産が全株取得し、三菱商事に49%分を売却することにした。
 
 宇部ケミラは宇部興産(51%)と三菱商事(49%)との合弁会社となり、来年1月から社名も「宇部MC過酸化水素」に変更する。宇部興産から社長、三菱商事から副社長を派遣する。
 
 宇部ケミラの過酸化水素はケミラ社技術で製造しているが、主原料である水素は宇部興産が供給している。この水素は石炭、石油精製の残渣ペトロコークス、及び廃プラスチックを原料した独自の環境対応技術によって製造している。

 国内紙パルプ業界では、環境問題への対応から、いわゆる塩素系漂白剤を使わない、ECF (Elemental Chlorine Free) 化が進み、それに伴い分解生成物が水と酸素という、環境にやさしい過酸化水素に切り替わろうとしている。

 三菱商事は現在、新酸素化学(本社:北海道苫小牧市、小泉謙治社長)の50%株式を保有し、過酸化水素を販売しているが、今後は北海道と山口県の両地域に供給拠点を持つ地理的優位性を活かし、販売競争力の強化を図る。
 
 宇部興産は、過酸化水素などの工業薬品事業を中核基盤事業の一つと位置づけており、今後は宇部MCの事業基盤をさらに強め、安定的な収益確保を目指す。
 
【 宇部MC過酸化水素株式会社(現 宇部ケミラ株式会社)の概要 】
(1) 本社所在地  東京都港区芝浦1−2−1 シーバンスN館
(2) 代表者  代表取締役社長 山本 修二
(3) 設立  1989年
(4) 資本金  10億円
(5) 売上高  37億円(2006年12月期)

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1198217322.pdf