2007年12月26日
KingBoard Chemical、重慶市でメタノールの商業生産開始
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:三菱ガス化学


(上海発=特約)

 香港のラミネート会社 KingBoard Chemical は12月17日、重慶市の重慶ケミカルパークでメタノール工場の商業生産開始の式典を行なった。

 2005年の第2四半期に建設を開始し、本年8月に完成した。能力は45万トンで、運営は KingBoard 天然ガス化学 (重慶) 社が担当する。

 原料の天然ガスは同地の天然ガス田から供給を受ける。製品メタノールは揚子江の水運を利用して中国東部の市場に輸送する。

 KingBoard では当初、第一期の完成後、市場の状況にもよるが、能力を135万トンまで拡大することを検討していた。

 しかし、本年夏に国家発展改革委員会(NDRC)が新しい天然ガス活用政策を発表し、限られた天然ガスの消費を最適化し、省エネを推進することを狙って、都市ガス用の利用を最優先し、メタノール用の使用が禁止された。

 稼動中のものや建設完了のもの、ガスの供給契約を締結済みの建設中のものについては除外されるが、8月30日以降、建設を開始するものについては禁止されるため、今後の増設は不可能となった。

 なお、重慶では三菱ガス化学が85万トンのメタノール計画について、2004年にNDRCの承認を受けている。

 三菱ガス化学が51%、重慶化医集団が49%出資するJVで、当初は2007年上半期のスタートを予定していた。

 同社によると、この計画は現在なおFS中で、合弁会社の設立や投資額、事業化スケジュールなど具体的なことはまだ何も決っていないという。

 KingBoardは中国海洋石油との合弁会社 CNOOC-KBChemical で昨年、海南島の東方市の 60万トン/年の天然ガスベースのメタノール工場を稼動させている。(CNOOC が60%、KingBoard が40% 出資)

 KingBoard はまた、本年3月に河北省Xingtai 市の内丘で100万トンの固焦炉コークス、10万トンのメタノール、12千トンのベンゼンの建設を開始した。第一期と同じ能力で、完成すればメタノール能力は合計20万トンとなる。

 更に同社は山西省呂梁で、コークス180万トン、メタノール20万トンの石炭化学プロジェクトをもっている。

 この計画ではメタノールは石炭ガス化ではなく、コークス炉のオフガスから生産する。