2008年01月10日
三菱化学・鹿島事故で報告「空気弁起動スイッチ ON状態」
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:三菱化学、経済産業省

 経産省原子力安全・保安院は10日、三菱化学・鹿島事業所で07年12月21日に発生した火災事故について、同月27日、同社から原因等に関する報告を受け、その後、追加報告の再指示を行っていたところ、08年1月9日付で報告書の提出があったと発表した。
 
 再指示報告書のうち「漏洩・着火原因」に関する部分の記述内容は次の通り。
 
(1)漏洩原因
■ 直接原因
 仕切板入替え工事中に、AOV(空気駆動弁:当該箇所 16インチ)起動スイッチがONの状態となり、AOVが開いてクエンチオイルが流出した。AOV起動スイッチがONの状態となった原因については引続き究明中である。
 
・AOVの起動らしき音がし、その後フランジ開口部よりクエンチオイルが流出したとの目撃証言があった。
・焼損後のAOVの開度計が約50%を示し、かつAOV内部点検の結果同様の開放が確認された。・発災現場を確認したところ、仕切板が完全に抜かれた状態になっていた。

■ 間接原因
 仕切板入替え工事の「安全打合せ会」において、AOV作動防止のため施錠実施が決められ「工事安全指示書」に工事開始前の確認事項として記載されていたが、確認されなかった。また「作業確認リスト」には施錠の記載がなく、実施されなかった。
 一方、AOV作動防止のため駆動源の元弁閉止も考えられるが、安全措置として採用されていなかった。
 
(2)着火原因
 「自然発火」「高温物体との接触」「金属の衝撃火花」「静電気着火」など着火原因については現在、各種解析手法を用いて検討中である。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1199954038.tif