2008年01月15日
日立化成、薄型パッケージ用低熱膨張・高弾性多層材料を新開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:日立化成工業
低熱膨張・高弾性多層材料 MCL-E-679GT

 日立化成工業は15日、薄型半導体パッケージ基板用の低熱膨張・高弾性多層材料(MCL-E-679GT)を開発したと発表した。銅張積層板のラインアップを拡充した。4月から量産を開始する。

 電子材料市場では、電子機器の小型・薄型化に伴い、使用する基板に薄型化要求が高まっている。また、IC チップ実装時には、チップと基板材料の熱膨張係数の差により生じる「そり」が大きな課題となっている。実装工程では、鉛はんだを使わないプロセスが主流となった結果、リフロー温度が高くなり使用される材料にも高耐熱特性が求められている。

 そこで同社はこのほど、従来の高Tg(注)材と比べて熱膨張係数を約20%低減した新規材料を開発した。実装時の「そり」を約2分の1に低減することができ、鉛フリーはんだに加えて、ハロゲンフリーも実現した。

 最終製品では、携帯電話や情報デジタル機器、車載用など高温環境で使用される機器に適しており、2010年には年間30億円の売上を目指す。

 なお、同製品は、1月16日から3日間、東京ビッグサイトで開催される、第9回プリント配線板EXPOに出展する。

(注)
■Tg :ガラス転移温度(Glass Transition Temperature)のことで、高Tg材とは、ガラス転移温度の高い銅張積層板を指す。一般的には、Tg が高いほど高温での樹脂の性質が安定しているため耐熱性に優れており、Tgは銅張積層板では耐熱性を表す一般指標として使用されている。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1200365316.pdf