2008年01月15日
PSの出荷、昨年もわずかに前年超え
国内向けの停滞を輸出の大幅増で補う
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

日本スチレン工業会が15日に集計したところによると、PS(ポリスチレン)の昨年の総生産量は892,044トンで前年比2%減、総出荷量は906,227トンで同1%増となった。

 うち出荷は06年の同0.3%増に続いて小幅ながらも2年連続の前年超えとなった。ただし、国内向けは862,601トンで同1%減となっている。電機・工業用は7%、また包装用は6%それぞれ前年を上回ったが、雑貨・産業用が23%もの縮小となり、FS用も7%減と不振であったため再び前年割れに転じた。電機・工業用が7%増となったのは、デジタル家電の需要が一段と拡大したのと事務機向けが順調に成長したため。また包装用が6%伸びたのは、HIシートとOPSの需要がともに好調であったからとされる。一方、雑貨・産業用が大幅な減少となったのは、他の素材への転換や製品の薄肉化の進行さらには一部PSメーカーの出荷区分の変更等のいくつかのマイナス要因が重なったためと見られている。
 PSの国内向けの年間出荷量は、前年超えと前年割れがこのところ毎年繰り返されるパターンが続いている。
 一方の輸出は43,626トンで前年の2.01倍に急拡大した。5年振りの前年超えである。中国を中心としたアジア地域全体のデジタル家電向けの需要の急増によるもので、国内向けの停滞を完全に補った。

 片や生産は、06年の実績がわずか0.2%の小幅ながら8年振りに前年を上回ったことから07年の動向が注目されていたが、6月以降の7ヵ月全てが前年同月を下回ったため結局は再び前年割れとなった。

 また12月の同樹脂の実績は、生産が前年同月比6%減の74,308トン、総出荷が同4%増の73,831トンとなっている。出荷のうち国内向けは同1%増の69,856トン、輸出は同2.28倍の3,975トンでともに好調を維持している。生産は7ヵ月連続して前年同月を下回っている。しかし出荷は、国内向けが3ヵ月連続、輸出が12ヶ月連続、出荷合計が3ヵ月連続の前年同月超えとなっている。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1200389348.tif