2008年01月18日
藤吉・三井化学社長、08年度中計発表
「革新的な新技術」追求に意欲
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三井化学
藤吉建二社長

 三井化学の藤吉建二社長は18日記者会見し、08年4月からはじまる中期経営計画「08中計」の概要を明らかにした。

 同社長は、まず08中計のコンセプトについて「革新的な新技術によって経済・環境・社会の3軸のバランスが最適な形となる経営体制を確立することが基本」と説明、次いで、具体的な目標や実行計画の概要を発表した。

 「経済軸」については、2011年度の経営目標として営業利益1,300億円、ROA7.5%(07年度見込みは同1,000億円、同6.4%)を掲げ、さらに2015年度は同1,500億円、同10%以上を目指す。
 
 その実現のための戦略として、
(1)機能性ポリマーズの拡大による機能性材料事業の収益力強化
(2)M&Aを中心とした農業化学品や触媒事業等の先端化学品事業の拡大
(3)差別化技術を活用した高付加価値化でのアジアの成長市場の獲得による基礎化学品事業の強化、の3点を強力に推進していく。

 また「環境軸」では、2011年度におけるGHG(温暖化ガス)原単位指数を90年対比で85以下(エネルギー原単位指数を80以下)にすると同時に、国内における産業廃棄物の埋め立て率を1%以下にすることを目標に掲げていく。あわせて、原料転換技術の開発と非可食資源の活用で非化石原料比率を引き上げる。

「社会軸」の確立に当たっては、世界最高の労働安全水準の実現を基本に、労災度数率の休業率を0.15以下に、同じ労災度数率の休業+不休業+微傷率を1.8以下に抑える。

 また、投融資は6,800億円とする計画。基盤整備に2,810億円、新増設に2,290億円、M&Aに1,700億円を投入する。人員は連結ベースで現在の13,200人を15,200人に増やす。研究開発費は04中計に対して25%増の2,000億円とする考えだ。
 
 同社長は現在開発に挑戦中の「革新的な技術」として、経済軸では機能性ポリマーズの拡充やオレフィン・アロマ類の革新プロセス、環境軸では非化石原料活用技術による植物由来のポリウレタンやバイオオレフィン類の開発及びGHG削減技術、社会軸ではノンホスゲン法イソシアネートなど安全性の高い革新的なプロセスの開発といったように、各軸ごとにテーマをあげ「今後の経営基盤強化につなげていきたい」と新技術追求に意欲を示した。