2008年01月21日
昭和電工、世界初「酢エチ・酢酸製造法」で化学技術賞受賞
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:昭和電工、日本化学会
大分工場酢酸プラント

 昭和電工は21日、同社が開発した世界初の「酢酸エチルおよび酢酸製造技術」が、日本化学会の「第56回化学技術賞」を受賞したと発表した。

 受賞したのは、「固体ヘテロポリ酸を触媒とする新規酢酸エチルおよび酢酸製造法の開発」。ヘテロポリ酸は、中心にリンもしくはケイ素があり、その周囲を12個のタングステン酸化物が取り巻いた構造している。このヘテロポリ酸を活性成分として、化学的に安定な多孔体(担体)に載せて工業用酸触媒として世界で初めて用い、成功させた。
 
 昭和電工は現在、この触媒を使用して大分工場で
(1)エチレンと酢酸を原料とする酢酸エチルの製造、および
(2)エチレンの直接酸化による酢酸の製造
と、世界に類を見ない製造プロセスにより商業運転を実施中である。また、産学連携によって、製品収率の向上と触媒寿命の飛躍的な伸長にも成功している。

 今回の受賞は、固体ヘテロポリ酸が化学工業用触媒として有用であることを実証し、固体触媒反応の研究進展に寄与したことが高く評価された。授賞式および受賞講演は、3月27日に都内で行われる予定。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1200889921.doc