2001年06月11日 |
PETボトルの化学リサイクル施設も民活法の対象に |
経済産業省など3省が7日に合同告示 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:帝人、経済産業省 |
経済産業、環境、国土交通の3省は7日、民活法(民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法)の対象に、廃棄PETボトルのケミカル・リサイクル施設を新たに加えることを明記した告示を行なった。 これまで民活法の対象に取り上げられてきた廃プラスチックのリサイクル施設は、PETボトルをフレーク、ペレットまたはポリエステル繊維に再生するためのマテリアル・リサイクル施設と、廃プラスチックを熱分解して油化するための施設だけであった。今回の告示は、それらに加えて、化学的な方法でPETボトルをモノマー化する施設、すなわちPETボトルのケミカル・リサイクル施設も対象にすることを明示したもの。この発端は、昨年12月11日に開かれた通産省産業構造審議会の廃棄物・リサイクル部会容器包装リサイクル小委員会において、“PETボトルのモノマー化もリサイクルの有力手法の1つといえる”との意見がまとめられたことにある。これを受けて、日本ポリエステルリサイクル社が安全・衛生性の確認実証試験を実施してきた結果問題がないことが判明、このため、経済産業省は今年5月25日の官報でモノマー化をPETボトルのリサイクル手法に加える旨を告示、さらに同手法の実現に必要な施設を民活法の認定対象に追加することにもしてこの日に告示したというわけ。 新たに認定されることになった施設は、PETボトルを破砕・洗浄等の前処理した後、解重合、精製その他の化学的方法によってポリエステル原料のBHET(ビス-β-ヒドロキシエチルテレフタレート)、DMT、PTAや、ペレット若しくはポリエステル繊維にリサイクルするためのもの。本体のほか、原料や製品の保管施設や展示・研修施設なども対象となる。ただし、施設の規模には一定の規定が設けられている。例えば、原料保管施設は床面積が300平方メートル以上で保管容量が200トンと定められ、また、リサイクル施設の場合は床面積が500平方メートル以上であって処理容量は年間3,000トン以上と、さらに製品保管施設は床面積が150平方メートル以上で保管容量が180トン以上とそれぞれ規定されている。 リサイクル事業者がこうした条件を満たした施設を建設するに当たって当局に認定を申請すると、総投資額の最大70%の低利融資が受けられるほか、税制面の優遇措置も得られる。帝人や日本ポリエステルリサイクルなどが認定を申請するのではないかと予想されている。 |