2008年01月23日
PVCの昨年の総出荷量、小幅ながら5年振りの前年超え
国内向けの6.3%減を輸出の12.7%増が補う
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会が23日に集計したPVC(塩ビポリマー)の昨年12月の出荷数量は同月比2.8%減の175,259トンとなった。輸出が引き続き好調で前年同月を7.7%上回ったが、国内向けが不振から脱却できず9.1%減となったことによる。
 
 しかし同樹脂の昨年1年の総出荷数量は、前年の実績を0.4%上回って211万7,525トンとなった。小幅ながらも5年振りの前年超えとなった。

 国内向けは同6.3%減で3年連続の前年割れとなったが、輸出が12.7%伸びて国内の落ち込みを完全にカバーした。輸出は1月から12月までの全てが前年同月を上回り、3年連続の前年超えとなった。大口消費国である中国向けが着実に伸びたのに加え、中東やインドなど新たな市場の開拓が順調に進んだことが大きく寄与している。

 国内向けは、硬質用が5.5%減、軟質用が9.5%減、電線その他が3.9%減と軒並み前年を下回った。硬質用と軟質用はともに3年連続のマイナス成長となった。電線その他は3年振りに前年割れとなった。主力の硬質用は10ヵ月連続の前年同月割れとなっている。住宅着工件数の縮小が大きく足を引っ張ってのものと見られる。ただし、塩ビサッシとサイディングは地球温暖化問題のクローズアップも追い風となって順調に伸びた模様。

 一方、総生産量は前年の実績を0.8%上回って212万1,766トンとなった。これも出荷同様に小幅の伸びながらも5年振りの前年超えとなった。
 年末在庫は98,454トンで前年末を4.5%上回っている。しかし、10万トンの大台を割り込んでいるので引き続き適正規模の範囲内と言えそうだ。

ニュースリリース参照
○塩化ビニルモノマー生産・消費・出荷実績表
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1201063878.xls

○塩ビ樹脂生産出荷実績表
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1201063878.xls