2008年01月25日 |
プライムポリマー、08中計の概要を発表 |
2011年の連結営業利益240億円を目指す |
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品) 【関連企業・団体】:プライムポリマー |
プライムポリマーの岩淵滋社長は25日に記者会見して、2015年近傍に実現を目指す同社の「グランドデザイン」と08〜11年の4ヵ年を実施期間とする「08年度中期経営計画」の概要を明らかにした。 グランドデザインについては「環境の変化への即応力の強化とポートフォリオの再構築によってより筋肉質の体質を作り、2015年に管理連結(海外統括会社を含む連結)営業利益300億円、同ROA10%を実現するのが主眼」と説明。そして「その実現のためには(1)原燃料価格の変動への合理的な取組み(2)ビジネスシステムの革新(3)最適生産体制の構築(4)PP自動車材事業のグローバル展開の強化(5)アジア市場における付加価値分野への展開(6)コンプライアンスの徹底、の6項目からなる重点課題のクリアが不可欠」と述べるとともに、ナフサフォーミュラー価格体系の一層の拡大やメタロセン触媒による新品種の開発の加速など、6つのテーマそれぞれの具体的な施策も合わせて披露した。 同社の07年度の管理連結営業利益は約100億円となる見込み。原燃料費の予想以上の高騰で当初の目標を下回っている。それを向こう8年でどういった手法によって3倍の規模に拡大していくかが注目される。 一方の08中計については「付加価値分野の拡大を主体に収益力の強化を図っていくことで2011年度に管理連結営業利益240億円、同ROA8%を確保することにしている点が大きなポイント」と強調。次いで「その実現のためにはかねて掲げている基本戦略、すなわち(1)差別化強化のための選択と集中(2)ボーダレス化に対応した事業基盤の強化(3)アジア基準を目指すコスト構造の改革、の3つの基本課題を着実に実行していくことが重要」と語り、加えて、メタロセンPPの事業化やHAO-LL事業の拡大さらにはHD事業の差別化の強化などの重点戦略も詳しく紹介した。 付加価値分野の拡大については、「現在約55%の付加価値製品の売上げ構成比率を2011年度に63%に引き上げ、そして2015年度には70%まで持っていきたい」と強い意欲を示した。 投資についても「08〜11年にPP自動車材の国際展開やPPの新プラントの建設ならびにメタロセンL-LDPEの増設などで合計700億円を予定している」と述べ、240億円にとどまった05〜07年を大きく上回る資金を投入することで事業基盤を大きく強化していく考えを披露した。 メタロセンL-L(エボリュー)については、現在の年産24万トンプラントを2010年中に同30万トンに増強することにしており、その後は、アジアの新立地で大型設備を建設することも検討しているという。PPについては、既存の設備の一部スクラップを前提に同15〜20万トン設備を新設する方向でSF中とのこと。 08中計の目標クリアに当たって同社が実現を目指す主要戦略・方策は以下の通り。 《PP自動車材事業のグローバル展開の強化》 ○インド並びに欧州における拠点の構築と既存拠点の増強。 ○ベースポリマーの安定調達体制の維持・強化。 《PP産包材の付加価値分野の強化・拡大》 ○メタロセンPP、メタロセンTPOの事業化と市場開発の推進。 ○アジア市場における付加価値分野のマーケティングの推進。 ○PPプラントのB&Sの実行。 《HAO(ハイヤーアルファーオレフィン)-LL事業の強化・拡大》 ○新規メタロセンLLの事業化と市場開発の推進。 ○エボリューのアジア市場におけるコア顧客のシェア拡大と新規市場の立ち上げ。 ○エボリュー設備の再増強と海外における新プラント計画の具体化。 《HDPE事業の差別化の強化》 ○メタロセン触媒による新品種の用途開発の推進と拡販。 《目的経営資源の適正配分》 ○付加価値分野における差別化の強化と汎用分野における合理化の徹底を基本に、社全体で、銘柄戦略の策定、ナフサフォーミュラー化の拡大、差別化強化タスクフォースの設置、汎用分野のワイドスペック品のオークション、需給調整システムの確立、バルク納入化、技術サービスの有料化、リサイクル品による流通袋の樹脂化等々の新たなビジネスシステム「Biz.Sys」を積極的に展開していく。 |