2001年06月06日
新日鐵化学、次世代素子「有機EL」事業強化へ
2005年国内シェア50%確保目指す
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:新日鐵化学

 新日鐵化学は、液晶に続く“次世代素子材料”として「有機EL素子」(エレクトロルミネッセンス)が有望となってきたため、事業推進体制の強化に乗り出す。2005年の市場規模を150~200億円と想定、シェア50%確保を目標に生産・販売体制を強化する。
 「有機EL素子」はタール系芳香族にアルミを結合させて得られる高純度材料だが、液晶と異なり“自己発光”する点に特徴がある。このためケータイなどのディスプレーとして使用する場合、液晶のように後ろから光を当てる(バックライト)必要がない。コントラストがはっきりし、視野角度が広い、消費電力が少なく、薄型化や軽量化が可能—などの点で有利となる。
 液晶ディスプレーは携帯電話やパソコン、小型テレビなどの普及に伴い、需要が急速に拡大しているが、「有機EL素子」は液晶に続く次世代型素材としてIT関連各社や自動車メーカーなどから注目され、今後急成長するとみられている。
 このため新日鐵化学では今年度中にも北九州市戸畑地区にある生産設備を強化する。設備は現在数10キロ~数100キロの量産化体制をもっているがさらに必要な投資を行う方針だ。
 また、これまでのEL素子評価技術を活用し、ユーザーの要望に応じて材料評価や評価に関するサポートを行う。
 「有機EL素子」分野は化学・素材、電子機器、自動車など多くの企業が研究開発に取り組んでいるが、同社では2005年には国内市場規模150~200億円に達するとみており、このうち50%のシェア確保を目指して同事業を推進していくとしている。