2008年01月30日
汎用樹脂の昨年の出荷、硬質品種が増加
包装用はPSだけが順調な伸び
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:経済産業省

 経済産業省化学課は30日、汎用4樹脂(ポリオレフィン3樹脂とPS)の昨年1年の需要分野別の出荷実績を明らかにした。それによると、工業材料向けを中心とする硬質品種がおおむね順調な伸びを遂げている。包装用は、PSを除いて伸び悩みもしくは小幅の減少となっている。

 汎用4樹脂の主要品種の中で最も伸びが高かったのはPSの電機・工業用の7%で、PSの包装用の6%増がそれに続く。ただしPSの場合は、FS用が7%、雑貨・産業用が23%それぞれ前年を下回っているので、国内向けトータルは1%の縮小となった。

 ポリオレフィンの中ではHDPEの繊維用の11%増が目を引くが、絶対量が小さい。量産型品種の中で前年を上回っているのは、LDPEとPPの射出成形用の各2%増と、HDPEの中空成形用の同じく2%増ていど。LDPEの射出成形用はボトルのキャップ向けが、またPPの射出成形用は自動車部品向けが、HDPEの中空成形用はガソリンタンク向けと工業薬品タンク向けがそれぞれ順調な伸びを遂げた。注目のフィルム用は、LDPEこそ1%増えているもののPPはわずか0.04%ながら前年を下回っており、HDPEは2%減と不振が続いている。

 また同課では、これら4樹脂の昨年10〜12月期(第4・四半期)と7〜12月期における分野別出荷実績もまとめたが、この中では4Qの国内向け出荷量がいずれも前年同期を上回り、しかも主要品種が軒並み大幅な伸びを遂げている点が注目される。LDPEの最大消費品種のフィルム用は6%、HDPEの同じく最大消化品種のフィルム用は4%、PPの主力品種の射出成形用は8%それぞれ前年同期を上回っている。PPのフィルム用も3%増となっている。いずれも、値上げ前の仮需の発生による面が大きいと見られる。軒並み不振であった前年同期とは対照的な姿となっている。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1201667333.tif