2008年01月31日
三菱ケミカルHDの連結業績、第3四半期は増収・増益
通期予想は鹿島の事故もあって下方修正
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三菱ケミカルホールディングス

 三菱ケミカルホールディングスは31日、第3四半期(平成19年4月1日〜12月31日)の連結決算の概要と通期(同19年4月1日〜20年3月31日)の業績予想の修正内容を発表した。
 
 第3四半期の売上高は2兆1,617億4,800万円で前年同期の11.7%増、営業利益は1,143億3,700万円で同15.7%増、経常利益は1,207億2,800万円で同9.4%増、当期純利益は1,750億9,100万円で同97.3%増となって、好調を維持した。当期純利益が大幅増となっているのは、医薬事業の再編で持分変動利益が1,176億円発生して特別損益が1,040億円の増益となったため。
 
 営業利益のセグメント別の実績では、ヘルスケア部門の利益が三菱ウェルファーマーと田辺製薬の統合効果もあって46.3%もの増益となっている点が注目される。石油化学部門は、中国のポリエステル繊維の需要不振と製品価格の低下によるPTA事業の採算割れが響いて3.8%増にとどまっている。12勝ち21に椿事発生した鹿島事業所の事故も足を引っ張ったという。機能商品部門は、建設資材の需要の縮小が影響して3.7%の減益となっている。
 
 一方、通期の業績予想は売上高が2兆9,400億円、営業利益が1,230億円、経常利益が1,260億円、当期純利益が1,610億円となっている。昨年11月2日に発表した予想に比べると、売上高は300億円(1.0%)、営業利益は250億円(16.9%)、経常利益は230億円(15.4%)、当期純利益は250億円(13.4%)それぞれ縮小となる。前期比は売上高が12.1%増えるが、営業利益は4.3%、経常利益は10.8%それぞれ縮小する。当期純利益は60.5%増となる。
 
 通期予想を下方修正することにした大きな要因は、三菱化学・鹿島事業所の火災事故で合計130億円の損失が発生する見通しとなったのと、PTA事業の赤字の拡大やナフサ価格の予想以上の高騰等が加わって石化部門の営業利益が昨年11月の予想を210億円下回る見込みとなったことにあると説明している。鹿島の事故によって生じる損失額の内訳は、減産や減販及び代替品の調達に伴う部分が100億円。事故に起因するプラント停止や低稼働に伴う固定費部分が30億円になるという。後者は保険で100%カバーされそう。しかし前者はどのていどがカバーされるか不明であり、実施時期もかなり後になる公算が高い。