2008年02月07日
来月からアジアでPHの定修が相次ぎスタート
運休設備、前年を大きく上回る規模に
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 フェノール(PH)メーカー筋の調べによると、3月早々からアジア地域でPHメーカーの定修が相次いでスタートする見通しとなった。
 
 3月から7月までの間に定修を実施する予定のPHメーカーは、三井化学(2基合計年産43万トン)、三菱化学(25万トン)、韓国・クムホ(3基合計30万トン)同・LG石化(18万トン)、台湾・FCFC(40万トン)、同・長春石化(20万トン)、シンガポール・MPS(30万トン)の計7社。
 1月に定修を完了している台湾・TPCCを含めると、上期合計の運休プラント数は8社トータルで11基を数える。07年の同時期の定修による運休プラント数を5基上回る。
 
 PHの需要は、中国をはじめとしたアジア地域を中心にビスフェノール-A(BPA)やフェノール樹脂向けに引き続き着実な伸びを遂げている。07年の世界全体の総需要量は前年を4%前後上回って860〜870万トンに達したと見られている。総設備能力は年910万トンと想定されているので、平均稼働率はおよそ95%になった勘定だ。
 
 08年も、需要は世界全体で4%前後の伸びを遂げるというのがPHメーカーの多くに共通した見方。メカニカルトラブルで運休していたイネオス・グラドベックの63万トン設備の一部が復旧し、また中国・キングボードの12万5,000トン能力の新設備が春から稼動入りし、さらに年央にタイ・PTTの20万トンプラントが完工しても需要の増加分を賄えるかどうか疑問と言える。しかも、アジアで定修が集中する上期は完全に需給が逼迫する見通しにある。この間に需要家各社が欧米から余剰玉をどのていど調達できるかが当面のポイントとなる。