2008年02月08日 |
エチレン装置の定修、今年は9基に拡大 |
昨年より4基増、多くが3〜7月に集中 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:なし |
定修によって今年運休となるわが国のエチレンプラントの数は昨年を大幅に上回ることが確実となった。 現在稼動中のエチレンプラント数は、12社合計16基。年間総生産能力は定修実施年で728万9,000トン、定修スキップ年で802万3,000トンとなっている。この数年ほとんど変動がない。 対する昨年の年間総生産実績は773万9,200トンで、前年を2.8%上回った。定修実施年ベースの総設備能力を大きく上回ったわけだが、これは定修による運休プラントの数が5基にとどまったことによるもの。平均稼働率はほぼ100%であったといえる。 一方、今年の定修による運休プラント数は7社合計9基となる見通し。火災事故で運休中の三菱化学・鹿島事業所の第2エチレンプラントを含めると10基となって昨年の2倍に拡大する。 経済産業省製造産業局では、今年のエチレンの総需要量が764万トンになると予想している。エチレン系誘導品の輸出入バランスの出超規模の縮小が避けられないので昨年の実績を1.3%下回ることになるとの判断である。したがって、定修・運休プラント数が昨年のように少なければ今年も需給はほぼ均衡した状態で推移するということになる。 実際には運休規模が大幅に増えるのが確実となっているので一時的には海外から手当てしなければ誘導品プラントの安定操業を維持していけなくなる心配がある。特に多くの定修が集中する3月から7月までの間は超タイトな状態となる見通し。このため、ポリエチレンなど主要誘導品を定修前にどこまで作りだめできるかがポイントとなる。 【定修のため運休する予定のプラント】 設備能力は定修スキップ年ベース。単位は1,000トン。 ▽山陽石油化学・水島=443/3〜4月 ▽東ソー・四日市=493/3〜4月 ▽三菱化学・水島=450/5〜6月 ▽同・鹿島の第1号機=398/5〜7月 ▽丸善石油化学・千葉=480/ 5〜6月 ▽大阪石油化学・堺=455/6〜7月 ▽新日本石油化学・川崎=404/8〜9月 ▽出光興産・徳山の2基=623/9〜10月 |