2001年06月05日
東ソー、合成ゼオライトの高機能品種を育成へ
吸着剤用と触媒用等で新用途を開拓
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東ソー

 東ソーはスペシャリティー事業の拡充策の一つとして合成ゼオライトの高機能品種の育成・強化に一段と力を入れていくことになった。吸着剤用の「ゼオラム」と触媒用の「ハイシリカゼオライト」、それと一昨年に上市したリチウム系ゼオライト「NSA」の3品種の新用途の開拓によって狙いを実現していく方針だ。
 このうちの「ゼオラム」については、化学工場等における各種のガスの除湿・防湿・脱水剤や復層窓ガラスの結露防止剤--などの従来の用途に加えて、IT関連施設で使用される特殊ガスの処理(クリーン化処理)剤や自動車のエアコンの脱水剤、さらには医薬の防湿剤--といった新たな分野に同社独自の基盤を構築していくことにしている。
 また「ハイシリカゼオライト」では、現在の石油精製工場における芳香族の異性化・分離剤などのほか、全世界的な自動車排ガス規制の強化に対応してのハイドロカーボン処理剤の需要の確保に多くのエネルギーを注いでいく構えである。すでに同社では、自動車の排ガス処理用については、各自動車メーカーにおける実証試験等を経て世界でもトップレベルの機能と品質を持つ製品の品揃えを完了しているという。
 一方の「NSA」は、空気中から高濃度の酸素を取り出す機能を持つ同社特有の新製品。ごみ焼却場やパルプ工場等で高い評価を得ている。これからは電炉向けにも需要が広がる見通しという。