2008年02月08日
東レ、独自技術でABS/PCアロイの新素材を開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東レ

 東レは8日、2種類以上の樹脂をナノオーダーで最適に混合(アロイ)する当社独自の「ナノアロイ」技術を使い、新たな樹脂の特性を付与する革新的な「ナノアロイ」樹脂の開発に成功したと発表した。

 新材料は、同社が2005年10月に世界で初めて開発した「自己組織化・ナノアロイ」技術を発展、深化させて実現した。
 
 この「自己組織化・ナノアロイ」は、樹脂成分を混合する際に、分子が自発的に集合していく「自己組織化」作用を制御することで分子をナノオーダーで精密に整列させ、3次元的な連続構造を形成させるナノ構造制御技術。
 
 今回は、その構造を解析して新たな分子設計を加えることで、従来の「ナノアロイ」技術以上に樹脂の特性を飛躍的に向上させることに成功した。

 同社の「ナノアロイ」は、ABS樹脂とポリカーボネート(PC)樹脂をアロイ化した樹脂で、これまで不可能とされていた3次元連続構造を初めて安定的に作り出すことに成功した。
 
 ABS樹脂の成形加工性と加飾性、PC樹脂の耐衝撃性と耐熱性など全ての特性を同時に実現する一方、弱点とされる耐薬品性や耐湿熱性、肉厚成形品での耐衝撃性などを飛躍的に高性能化させた。

 なお同社は2月13ー15日、東京ビックサイトで開催される「nano tech 2008 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」に試作サンプルを出展する。