2008年02月13日
出光、住友、三井「高効率プロピレン」年産15万トン着工
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:出光興産、住友化学、三井化学
三井化学市原工場

 コンビナートから出る副生成物を有効利用しようと、千葉地区で「高効率プロピレン生産システム」を共同開発中の出光興産、住友化学、三井化学3社は13日、主要研究設備の設計を終えたため、三井化学市原工場内に年産目標15万トン設備を着工したと発表した。
 
 製油所と石油化学工場から発生する副生C4留分とエチレンを原料として、クリーンな燃料とプロピレンを高効率で生産するもので、開発費は約100億円。09年度第3四半期には完成し、実証試験に入る予定だ。

 3社は、06年4月から共同で「石油コンビナート高度機能融合技術開発事業」(RING 3)の一環として同研究に取り組んできた。
 
 3社の工場が立地する千葉臨海地帯は、石油製品、オレフィン、アロマ、誘導品の大型設備が並ぶ、わが国最大のコンビナート生産拠点となっており、パイプライン網も整備されている。こうした立地条件を活かして、クリーン燃料とプロピレンを高効率に生産できれば、一層の競争力強化につながることになる。

 なお、同システムが完成すれば、3社のプロピレンのエチレンに対する生産比率は一般的なエチレン分解炉の0.6に対し、アジアでもトップクラスの0.9以上となり、より付加価値の高いプロピレン系製品の生産が可能となる。

【 高効率プロピレン生産システムの概要 】
(1)プロピレン生産能力 : 年産15万トン目標
(2)研究開発費 : 約100億円 (負担比率 : 出光 50%、住友 25%、三井 25%)
(3)研究設備の立地 : 三井化学 市原工場内
(4)研究設備の着工 : 2008年2月 (起工式 2008年2月7日)
(5)実証試験の開始予定 : 2009年度第三四半期


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1202870118.pdf