2008年02月18日
三菱化学、三菱電線から近紫外LED技術と設備を譲り受け
白色LED向け部材の開発と事業化を大きく加速
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学は18日、高成長が期待される次世代固体照明製品の構成材料の一つであるGaN(窒化ガリウム)系近紫外LEDの製造技術(特許を含む)と必要設備を三菱電線と同社の子会社のダイヤレットから譲り受けることにして同日3社間で譲渡契約に調印したと発表した。譲渡対価は約15億円。

 これに伴い同社は、三菱電線が所有しているダイヤレット尼崎工場内の設備を三菱化学筑波事業所に移して技術の仕上げと工業化の早期実現を目指していく。

 固体照明製品は、優れた省電力性能が人気を呼んで携帯電話のバックライト向けを中心に新たな市場をキャッチアップしつつある。中でも将来の高成長が期待されているのは新規白色LEDで、大型TVなどFPD(フラットパネルディスプレー)用バックライト向けや一般照明材料向けに需要が急拡大していくというのが固体照明関係筋に共通した見方となっている。

 三菱化学では、2010年には8,000億円の市場規模になると予想、キーマテリアルである蛍光体やGaN基板の開発に取り組んできた結果、自然光に近い白色光を実現する高輝度LED用蛍光体の量産化に成功。また同基板も量産技術を確立して08年度からの本格工業化を計画中。

 これらの要素部材に加えて近紫外LEDチップについても技術開発を進めてきていたが、開発と工業化のスピードアップを図るため三菱電線グループから技術と関連設備の譲渡を受けることにしたもの。これによって開発と工業化に必要な期間を2年短縮できることになったと同社では説明している。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1203315902.pdf