2008年02月29日 |
汎用樹脂の対中輸出、1月は全て前年割れ |
軒並み大幅な縮小、32ヶ月振りの事態 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計) 【関連企業・団体】:なし |
汎用樹脂の1月の中国向け輸出通関数量(香港向けを含む)は、合計6品目の全てが前年同月の実績を下回った。6品目揃っての前年同月割れは、05年6月いらい32ヶ月振りとなる。 財務省の1月の輸出通関統計によると、汎用各樹脂の1月の対中輸出通関数量はLDPEが6,214トンで前年同月比38.7%減、HDPEが6,185トンで同35.1%減、PPホモポリマーが11,563トンで同25.8%減、PPコポリマーが3,465トンで同36.6%減、PSが4,089トンで同11.4%減、PVCが37,265トンで同30.7%減となっている。前年同月に対する縮小率が全てこれまでになく大きい点も注目される。 うちLDPE、HDPE、PVCの3樹脂は7ヶ月連続の前年同月割れとなった。PP-HとPP-Cは、ともに3ヵ月振りに前年同月を上回った12月からわずか1ヶ月で再び前年同月割れに戻った。PSは、9ヶ月振りの前年同月超えとなった12月から同じく1ヶ月で前年同月割れとなった。 このように6品目全てが前年を割り込むという異例の事態となったことについて、これら樹脂メーカーや大手商社の多くは、いくつかの要因が複雑に絡み合って生じた事態と分析している。その一つとしては、HDPEを除いて前年同月を大きく上回る規模となった昨年1月の反動が出たことが挙げられるとしている。また、二つ目としては、中国の需要家の多くが豊富な在庫を抱えていて比較的価格が高い日本品の購入を手控える行動に出たことが、そして三つ目には、中国の需要家のオファー価格が日本側各社の希望価格を下回ったため多くの日本企業が契約を縮小したことが、さらに四つ目には、1月の内需が予想以上に増えたことと三菱化学の第2エチレンプラントの運休で多くの樹脂の総生産量が減ったことで輸出余力が縮小したことがそれぞれ挙げられると指摘している。 今後についても、内外の需給バランスや原料価格面に不安要素が多いので急速な回復は期待できないと発言する向きが多数を占めている。 |