2001年06月01日
プラ協が建築系廃プラスチックの排出等の実態を調査
50~60%がマテリアルリサイクル可能と判断
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:プラスチック処理促進協会

 プラスチック処理促進協会は、平成12年度に実施した「建築系混合廃棄物中の廃プラスチックの再資源化のための基礎調査」の結果を31日明らかにした。
 これは、マンションや戸建住宅の新築工事現場で発生する廃プラスチックの排出実態を調査するとともに、同プラスチックの有効利用、特にマテリアルリサイクルの可能性についても検討したもの。また、関係事業者を対象に、同プラスチックの分別・処理状況や発生の抑制・有効利用への取り組みの現状と将来に向けての考え方も同時にアンケート調査した。実施に当たっては、戸田建設と「彩の国豊かな住まいづくり推進協議会」の協力でマンション1棟と戸建住宅8棟を選んだ。
 同協会では、今回の調査の結果、工事現場で発生する廃プラスチックのうちの50~60%がマテリアルリサイクルできる良質な製品であることが判明したと指摘している。よごれが少ないことや、製品の多くがポリオレフィン系と塩ビ系とPS系の3種類で占められているためマテリアルリサイクルがしやすいという判断である。
 同調査によると、各工事現場から発生する廃プラスチック量は、マンションの場合で床面積1平方メートル当たり平均2.2キログラム、戸建住宅で同1.0キログラムとなっている。
 発生するプラスチックの種類は、PE、PVC、PP、PSの4種が圧倒的に多く、マンションでは全体の98%を、また戸建住宅では全体の83%を占めていることがわかった。
 廃プラスチックの用途別の発生割合は、マンションの場合、工事副資材が最も多くて43%、また戸建住宅では工事端材が55%となっている。
 形状別の発生割合は、フィルム・シートとクロス類がともに多く、マンションでは前者が41%、後者が18%、戸建住宅では前者が27%、後者が26%となっている。
 同報告書では、こうした調査結果から判断して、全国の新築工事現場で発生している廃プラスチック量は年間20万トンていどと推定されると指摘している。
 一方、関係事業者に対するアンケート調査の結果については、「何らかの分別を実施していると答えたところが全体の63%を占めたこと」、「ただしその有効利用の実績は発生量の10%にとどまっていて、埋め立てが47%、単純焼却が29%と多いこと」、「課題として“分別・保管のためのスペースの確保”や“分別が容易な素材や製品の開発”などを挙げる向きが多かったこと」--などが特に注目される点だと強調している。