2008年03月05日
三井化学、PHの輸出価格を引き上げへ
3月分、前月比100ドルアップでオファー
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 PH(フェノール)最大手の三井化学は、このほど中国の需要家各社に対してPHの3月の船積み分の価格をトン当たり100ドル引き上げたい旨を表明し、同意を求めた。

 2月の価格は同CFR1,550ドルで1月と同値であったが、その後の原燃料費の高騰が著しいため採算維持を目的に1,650ドルへの底上げを図ることにしたもの。
 PHの原料はプロピレンとBZ(ベンゼン)だが、うちプロピレンの価格は原油の国際スポット相場の急騰によるナフサ価格の急上昇に伴って続騰に歯止めがかからない状態となっており、一方のBZの価格は米国におけるリファイナリーの定修の集中とわが国の石油精製企業の減産とによる国際需給バランスのタイト化で3月のコントラクトものが急反発している。

 三井化学では、こうした中で採算を維持していくには先ずは国際市況製品であるPHの輸出価格の底上げが不可欠と判断して同100ドルアップのオファーに踏み切ったもの。交渉の行方を左右するPHのアジア地域の当面の需給バランスについては、3月から6月までの間に日本を中心としたアジア地域全体で定修のためにプラントを運休するPHメーカーが相次ぐ見通しにあるのでこれまで以上にタイトになると予想している。