2008年03月10日 |
各国でAN企業が相次ぎ定修入り |
当面の需給、一段とタイトに |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:なし |
アクリロニトリル(AN)メーカーによる定修が相次いで各地でスタートした。米・ルーサイトが年産14万トンプラントを2月末から1ヶ月の予定で運休して定修に入ったのを皮切りに、わが国のダイヤニトリル、旭化成ケミカルズ、米・ソルーシアが前後して定修入りしつつあり、向こう1ヵ月余りは世界全体の需給バランスが一段とタイトとなる見通しとなってきている。 ルーサイトに続いて3月から4月にかけて定修のため運休するANプラントは、ダイヤニトリル・水島工場の同12万トン装置、ソルーシア・テキサス工場の同51万トン設備のうちの同13万トンプラント、旭化成ケミカルズ・水島工場の同12万トン装置。 もともと、ANの世界全体の需給バランスはタイト気味に推移している。米国だけは供給力が国内需要を上回る状態にあるが、余剰分を西欧とアジア市場が吸収しているので米国企業も適正稼働率を維持できている。 それだけに、定修が集中する3月から4月にかけてANの国際市況は各地で底上げが進むことになりそう。しかも5〜6月には再び各地でANプラントの定修が始まる見通しにある。米・サイテックの同22万トン、英・BASFの同30万トン、韓国・東西石油化学の同30万トン等が相次いで運休する見通しにある。 一方の需要は、ABS樹脂向けが繊維向けの不調をカバーして前年を若干上回る公算が濃厚というのがわが国のAN企業に共通した見方となっている。 |