2008年03月11日
三菱レ、高級エステルの輸出価格も改定
3月21日出荷分からトン300〜400ドル上げ
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三菱レイヨン

 三菱レイヨンは11日、高級エステル(メタクリル酸エステル)の輸出価格を3月21日出荷分からトン当たり300〜400ドル引き上げると発表した。
 
 対象はBMA(メタクリル酸ブチル)、IBMA(メタクリル酸イソブチル)、HEMA(メタクリル酸2-ヒドロキシエチル)とその他メタクリル酸エステル。
 上げ幅は、BMA、IBMA、HEMAがそれぞれトン300ドル、その他メタクリル酸エステルは同400ドル。最大の消費国である中国向けを例にとった目標価格は、BMAとIBMAがともにCFR2,800〜2,900ドル、HEMAが同3,100〜3,200ドルとなっている。
 
 今回の輸出価格の改定は、原料のMMA(メチルメタクリレート)やMAA(メタクリル酸)に加えてブタノールやエチレンオキサイド等のアルコールの価格も高騰していて現在の輸出価格では採算を確保できなくなってきたことによるもの。
 
 高級エステルの需要は、塗料向けを中心にアジア各地で急拡大している。同社の推定では昨年のアジア地域全体の需要の伸び率は7〜8%となっており、インドや中国に至っては2ケタの伸びを記録した模様。今年も同様の伸びが確実と同社では予想している。
 一方、供給量はもともと企業化メーカーの数が世界でも極めて少数に限定されていて、しかもこのところ新・増設が途絶えているので総需要量を賄うのが容易でない状態にある。
 加えて今年春は、ブタノール、イソブタノール、EOの生産量が定修の集中で縮小するのが必至の見通しにあるので特に向こう数か月は逼迫度合いが一段と深刻になる公算が濃厚というのが同社の見方となっている。
 
 同社では、こうした客観情勢を背景に国内価格についても近く改定を表明することになりそう。