2008年03月11日
住友精化、仏・アルケマ社から高吸水性樹脂事業を買収
【カテゴリー】:経営(海外)
【関連企業・団体】:住友精化

 住友精化は11日、フランス、アルケマ社から高吸水性樹脂事業を買収することで合意したと発表した。4月1日から事業移管する予定。
 
 アルケマ社は1985年に住友精化から技術ライセンスを受けて同事業に進出し「アクアキープ」の商標でヨーロッパを中心に展開してきた。しかし事業規模が小さく、市場がグローバル化する中で競争力に限界があった。
 
 一方住友精化は、これまでヨーロッパ向けには姫路とシンガポールから供給してきたが、原料価格の高騰や輸送コストの上昇などから、早急に欧州域内に生産拠点を確保する必要があった。
 
 両社は、同一の生産技術と商標で販売してきたため、事業買収しても顧客サービスに問題はなく、グレードの統一など生産効率の改善も図りやすい。
 
 今回の事業買収により、販売は昨年12月に設立したスミトモセイカヨーロッパS.A./N.V.(ベルギー、ブリュッセル)が行い、生産は住友精化がアルケマ社に委託する形をとる。アルケマ社はカーリング工場の現有設備を活用して生産を継続する。
 
 当面の生産能力は年産1.5万トン、売上高は約35億円だが、今後生産効率の向上などにより年産2万トン程度に増強する予定。住友精化の生産能力は既存の年産14万トンと合わせて約16万トンとなり、事業基盤の強化につながる。