2008年03月14日
中東のPEの新増設が全体に遅れる公算
来春にずれ込むプロジェクトが相次ぐ見通し
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 わが国の石油化学企業や大手商社の調べによると、かねてから中東で進められているポリエチレンプラントの新増設工事のうち進捗状況が当初の計画をかなり下回るところが相次いで出始めている。
 このためこれら関係者の多くは、当初の予定通りに新増設工事を完工できるところはごく少数にとどまるとの見方を強めている。
 
 かねてから石油化学投資各社が表明してきた通りのスケジュールで工事が完工すると、年内に完成して稼動入りするポリエチレンプラントの総設備規模は9社合計年産410万トンとなる。早いケースで7〜9月期、多くは10〜12月期に完工することになっている。これに関連してエチレンプラントも前後して新増設される予定。
 しかし、実際には特に仕上げに近い段階で必要となる熟練の溶接要員の絶対量が不足する事態が多くの地域で発生、工事のスピードに急ブレーキがかかって対応に頭を痛めるところが多数を占める状態となっている。しかも溶接工の争奪戦は長期にわたるとの見方が有力となっており、そうなると多くのプラントの完工時期は来年年明けどころかさらに先に引き伸ばされることになる。