2008年03月18日 | |
新日本石油と九州石油、経営統合で覚書締結 | |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:新日本石油 |
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新日本石油と九州石油は18日、経営基盤強化のため今年10月1日をめどに経営統合することで合意し、覚書を締結したと発表した。統合に関する細目は今後、両社の役員及び従業員で構成する「準備委員会」と「専門委員会」で検討していく。 統合の背景には、昨今の急激な原油価格の高騰と、それに伴う燃料転換・省エネなどによる国内需要の減少があったようだ。国内石油各社はこのため抜本的な構造改革を迫られている。統合の話は昨年秋ごろ九石・木原誠社長の方から新日石側にもち出された。 九石は大分製油所に日産処理能力160千バレルの精製設備を持ち、新日石の全国7製油所計1,217千バレルとは規模は異なるものの、石油化学コンビナートを抱える立地条件や、九州一円にSS(25社、674カ所)を持つ販売力は新日石にとっても十分に魅力があり、統合後の原油調達・輸送および物流のサプライチェーンの一本化などによるシナジーは大きいとしている。シナジーは物流部門だけで50億円という。 また両社は石油化学で「大分パラキシレン」を持つなど、これまでも親密な関係にあった。今後は両社のインフラを活用しアジア市場におけるプレゼンスをさらに高めていきたいとしている。 質問に答えて、新日石の西尾進路社長は「九石とは年間30万キロリットルの石油製品の取引があり、大分パラキシレンも一緒にやっている。お互いに会社の状況は分かりあっている。これまでは需要が減少する中で、輸出や、石化に出る形で精製設備の稼動を維持してきたが、これからは能力過剰の問題が表面化してくるだろう。九石との統合は、グループ製油所間のベストプラクティスを考えていく上でも大きい」と語った。 また木原・九石社長は「九石は昭和39年の発足以来、多くの人材や、優れた技術・設備の中で育ってきた。昨今の事業環境を考えたとき、これらの財産を将来に向けて活かしていくには統合しかないと判断した」と述べ、「新日石に飲み込まれるのでは」との質問には、キッパリとした口調で「当社のブランド(コウノトリ)が消えるのはさびしいが、統合するからには新日石になり切るつもりだ」と答えた。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1205823753.pdf |