2008年03月19日
宇部興産、世界初 カプロラクタム製造中のN2O削減 CDM事業
【カテゴリー】:経営(海外)
【関連企業・団体】:宇部興産
タイのカプロラクタム工場

 宇部興産は19日、三菱商事と共同でタイで進めている亜酸化窒素(N2O)削減CDM(クリーン開発メカニズム)プロジェクトが、日本政府に続きタイ政府からも正式に承認されたと発表した。
 
 宇部興産のタイの子会社、タイ カプロラクタム社(Thai Caprolactam Public Co., Ltd.=TCL社)が、ナイロン6の原料となるカプロラクタム製造のさい発生するN2Oの排出量を削減するもので、宇部興産と三菱商事はCDMプロジェクトとして進めてきた。
 
 カプロラクタムの製造工程でのN2O削減は世界初。また、はタイ政府として初めて工業(化学)分野で承認したCDMプロジェクトとなる。

 亜酸化窒素(N2O)は、カプロラクタム製造工場で副生され、地球温暖化に影響のある温室効果ガスの一つ。三菱商事はTCL社に設置した触媒式分解プラントによって、2008年7月から年間約17万トンの排出権(CER)を獲得する予定。また同社は、獲得した排出権を地球温暖化問題に積極的に取り組む企業に販売することにしている。
 
【タイ カプロラクタム社 (TCL社)の概要】
◇正式名称:Thai Caprolactam Public Co., Ltd.
◇所在地:(本社)タイ王国バンコク市 (工場)ラヨン県
◇社長:Charunya Phichitkul(チャルニア ピチットクン。宇部興産常務執行役員兼務)
◇設立年:1990年
◇従業員数: 409人(2007年6月末現在)
◇出資比率:宇部興産91%、丸紅グループ7%、その他2%
◇業種:カプロラクタム、硫安の製造・販売
◇生産能力:カプロラクタム 110千t/年、硫安460千t/年


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1205900812.pdf