2001年05月30日
石化製品の4月の輸出、目立つ汎用樹脂等の減少
反面、AN、カプロ、SMなどは大幅増
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:財務省

 財務省がまとめた石油化学製品の4月の輸出通関統計によると、主要製品の中では、汎用樹脂やポリエステル繊維原料が大幅に前年同月を下回っている点が特に目を引く。
 しかしその反面、AN、カプロラクタム、SM等の化成品やエチレンならびに粗キシレン、オルソキシレンといった粗原料は逆に前年同月を大きく上回っている。
 汎用樹脂の4月の輸出が大幅に落ち込むことは、あらかじめ予想されていた。これは、最大の輸出先の中国からの引き合いと注文が3月以降激減していたため。中国国内では、今年に入っての米国の景気後退の影響を受けてプラスチック加工製品の生産活動が急速に停滞、しかも、それまでの数ヶ月の間に多くの加工企業が余分に在庫を蓄積してきたこともあってPPを除く汎用樹脂の需要が目だって縮小してきている。また、オファー価格も下降線をたどっており、このため日本の樹脂メーカーの多くが採算割れを嫌って成約を見合わせる行動に出ていることも輸出の減少に拍車をかける要因となっている。
 一方の化成品は、製品によって増減に大きな違いが生じている点が注目される。EG、PTA、酢酸、酢エチ、酢ビ、フェノール等が大幅に減少した反面、SM、AN、カプロラクタムなどが大きく伸びている。