2008年03月21日
ポリオレフィンの2月の出荷、いずれも前年を下回る
LDPEとPPは国内向けが5ヵ月振りの前年割れに
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 ポリオレフィンの2月の出荷数量は、LDPE、HDPE、PPの3樹脂の全てが前年同月の実績を下回った。3樹脂揃っての前年同月割れは、昨年9月いらい5ヵ月振りとなる。輸出が1月に続いて全体に不振であったことに加えて、これまで順調な伸びを続けてきた国内需要に陰りが生じてきたことが大きく影響している。

 国内向け出荷は、HDPEが前年同月を2%上回って3ヵ月連続の前年同月超えとなったものの、LDPEはわずか0.3%ながら前年を下回って5ヵ月振りの前年同月割れとなり、PPも同2%減のマイナス成長となって、同じく5ヵ月振りの前年割れに転じた。

 LDPEとPPの前年割れには、過去2ヵ月の前倒し需要の反動が出てきたことと、日本ポリエチレンならびに日本ポリプロの両社が三菱化学・鹿島のエチレン第2号機の運休のあおりで出荷の縮小を余儀なくされたことが大きく影響していると見られる。HDPEが小幅ながら前年を上回ったのは、フィルム品種の出荷の中に前倒し需要分がまだ残っていたのと中空成形分野の需要が比較的好調であったため。
 
 一方の輸出は、LDPEが前年並みを維持したのに対してHDPEとPPはともに前年同月を30%も下回るという異常な現象を呈した。LDPEは0.5%の小幅ながら一応3ヵ月振りの前年超えである。しかしHDPEとPPはともに1月に続いての大幅な前年割れとなった。これには、中国を中心としたアジア地域の市況の底上げがHP-LDPEを除いて原料ナフサの高騰幅を大きく下回る範囲内にとどまっていて採算を確保できなくなった樹脂メーカ−が契約量を思い切って縮小する行動を取っていることが大きく作用している模様。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file3_1206075722.pdf