2008年03月21日
三菱化学、第2エチレン再開、小林社長「安全対策に全力」
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三菱化学、三菱ケミカルホールディングス

 三菱ケミカルホールディングスの小林喜光社長は21日、記者懇談会を開き、鹿島事業所のエチレン第2プラントの停止命令の一部(年産32万トン分)が今月19日に解除され、3カ月ぶりにオンスペックしたと報告するとともに、今後の安全対策への取組みを説明した。
 
 この中で同社長は、今回事故を振り返り「会社の運営に大事なのは“現場力”だと痛感した。生産部門はもちろんだが、研究、営業あるいは情報やコンプライアンスなどの共通部門を含め、すべての人たちが意識を改め、当たり前のことがきちんとやれるような体制、組織にしていきたい。全員がプロ意識を持ち、ものづくり現場力を強化し、安全第一を徹底させる」と厳しい反省と安全への取組み姿勢を示した。

 三菱化学代表取締役常務執行役員の宇野研一氏は、事故原因について「分解炉のデコーキングの際、仕切板の抜き取り作業中に配管の空気駆動弁が開き、クエンチオイルが漏えいして発火した。なぜ漏れ、発火したのかなどはまだ正確にはつかめていないが、協力会社とのコミュニケーションや全社的な安全文化の醸成に力を入れたい」と報告した。
 
 また同じく取締役常務執行役員の高下悦仁郎氏は操業再開後の製品供給見通しについて「これまでユーザー各社にはご迷惑をおかけした。今後も必要に応じて製品の外部購入は続けるが、一部再開できたことで、供給能力はおおむね回復する見通しだ。ただ水島、鹿島とも5月から定修に入るため、定修前備蓄が急務となっている。一部の製品については納入調整の相談をさせてもらうことになると思う」と再開後の需給状況を説明した。