2008年03月24日
出光興産、北大と共同「胃の機能」を改善する天然素材発見
【カテゴリー】:新製品/新技術(経営)
【関連企業・団体】:出光興産

 出光興産は24日、北海道大学大学院家畜栄養学研究室(小林泰男教授)と共同で、「メルーン」と呼ばれる胃の機能を改善する効果を持つ天然素材を発見したと発表した。
 
 この素材は、カシューナッツの殻から抽出した「植物油」と、酵母菌の一種であるシュードザイマが生み出す「バイオサーファクタント」と呼ばれる界面活性剤の2種類で、これまでの研究によって以下の2つの効果が判明した。
 
(1)ルーメンから発生するメタンを約90%削減する。また低級脂肪酸中のプロピオン酸が約25%増加する。これにより飼料をエネルギー源に換える効率が向上する。

(2)カシューナッツの植物油は、ルーメン液の粘度を下げ、ガスの発生を抑える。このため牛の鼓張症の予防効果が期待できる。

 地球温暖化の原因の一つであるメタンの排出は、15〜20%が牛のルーメンに起因しており、発生の抑制は地球温暖化防止の観点からも意義が大きいとしている。出光興産では2種類の天然素材を、2011年度の商品化に向けてさらに研究を急ぐ。
 
 同研究の成果は3月27日に常磐大学で開催される第109回日本畜産学会で北海道大学が発表する。