2008年03月27日
トクヤマ 中国の乾式シリカ増強を検討へ
年産5,000トンがフル操業 浙江省嘉興市
【カテゴリー】:経営(海外)
【関連企業・団体】:トクヤマ
徳山化工本社

 トクヤマは26日、2010年を目指す中期経営計画(3カ年)の発表会で、中国での乾式シリカ生産の増強について検討に入ったことを明らかにした。現有の浙江省嘉興市の年産5,000トン設備が今月、フル操業となったため、倍増を検討しているという。

 同社は05年9月に「徳山化工(浙江)」を設立、昨年末に年産5,000トン設備(4,000万ドルを投入)を完成した。徳山工場の年産2万トンと合わせ2万5,000トンの能力となった。

 乾式シリカは金属シリコンからつくり、シリコンシーラントとして、繊維強化剤、CMP(半導体研磨材)、靴、インクジェット印刷での紙の上塗りなどに使われる。1キログラム当たり500円程度の高価格で取引されている。

 中国では米キャボットが江西省南昌市、ワッカー・ダウコ—ニンググループが江蘇省張家港市でそれぞれ生産、現地企業も存在している。このほか信越化学・東芝GEグループがタイで、東洋製鉄が韓国で生産している。

 トクヤマは2018年の創業100周年に向けて、成長素材・成長部材の強化を基本戦略のひとつにあげている。

 半導体、太陽電池向けに多結晶シリコン(世界トップレベル)、CMP,シリコン向けに乾式シリカ(アジアトップ)、フォトクロ材料向けにファインケミカル(ニッチ分野の世界トップ)に重点を置く計画である。