2008年03月27日
三菱化学、リチウムイオン二次電池用正極材の量産設備 水島に新設
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学は27日、水島事業所(岡山県倉敷市)にリチウムイオン二次電池用正極材の量産設備新設を決めたと発表した。2009年秋の稼動入りをめどに、自社技術による年産600トン設備を建設する。所要資金は約20億円。

 携帯電話やノート型パソコンなどの普及に伴い、リチウムイオン二次電池の需要が急増している。 同電池はアルミ、リチウム、マンガン、ニッケルなどを原料に製造するが、ニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池に比べて、平均電圧が約3倍とエネルギー密度が高く、電池の軽量化・小型化が図れるため、今後はハイブリッド自動車や電動工具用などに新たな需要が見込まれている。

 三菱化学は、10年以上にわたる正極材開発の成果として、ハイブリッド自動車用途に適した高出力特性を持ち、かつ高価なコバルトの含有比率を低減した正極材の開発に成功、2005年から坂出事業所で量産化技術の検討を進めてきた。今回、水島事業所に本格量産の第一歩として年産600トン規模の設備新設を決めた。

「負極材」は、すでに坂出事業所で製造(年産3,000トン規模)している。電解液の設備は四日市にもっている。

 同社では、ハイブリッド自動車、電気自動車など新たな用途が期待される電池材料ビジネスを重点育成事業と位置づけ、今後も積極的に事業展開していく方針である。
 
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1206598719.pdf