2008年03月27日
PXメーカーが相次ぎ値上げを表明
需要家のTPA企業は上げ幅の縮小を要求
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 新日本石油化学、出光興産などPX(パラキシレン)メーカーは、このほど大口需要家である三井化学や三菱化学などTPA(テレフタル酸)各社に対して4月のPXの納入価格の改定を相次いで表明し、了承を求めた。

 PX企業の提示価格はトン当たり1,330〜1,340ドルで、3月の価格に対しては160〜170ドルの値上げとなる。3月の価格は前月比70ドル高の1,170ドルで、4ヵ月ぶりにPX各社の値上げ要求が需要家に受け入れられた。しかし今回は、PX各社が提示した価格の上げ幅がこれまでになく大きいのでユーザー各社とも強く反発、上げ幅の大幅な縮小を要求している。

 PX各社が4月分の引き上げに踏み切ることにしたのは、アジア地域におけるPXメーカーの相次ぐ減産でPXの市中在庫が縮小してきたこと、同地域のTPA企業のプラント操業率が同地域のポリエステル繊維の需要の回復傾向に歩調を合わせて上昇に転じてきたこと等で同地域全体のPXの需給バランスが急速に引き締まってきたといえるため。4月から6月にかけてPXメーカーの定修・運休が相次ぐ見通しにあり、後押しする材料になっていると見られる。