2008年03月27日
出光興産と三井化学、ベトナムに大型石油基地
【カテゴリー】:経営(海外)
【関連企業・団体】:出光興産、三井化学
記者会見する天坊社長(中央)と田中副社長(右)、左は出光の前田新規事業推進室長

 出光興産と三井化学の両社は27日夕、記者会見し、クウェート国際石油(KPI)、ペトロベトナム(PVN)両社と提携して、ベトナムに大型製油所を建設するため、合弁会社「ニソン精製有限責任会社(仮称)」を設立することを決めたと発表した。
 
 合弁会社は今後2年間をかけて、装置の設計や経済性などのFSを実施するが、計画では、2013年末の操業開始を目標に、日量20万バレルの大型製油所と石油化学コンプレックスをベトナム北部のタインホア省ニソン経済区に建設する。
 
 建設資金は約58億米ドル(5,800億円)。製品としてLPG年間50万トン、ガソリン210万トン、灯軽油350万トン、重油8.5万トン、パラキシレン48万トン、ベンゼン15万トン、ポリプロピレン35万トンなどを生産する。エチレンプラントは当面考えていない。

■天坊昭彦・出光興産社長の話
 ベトナムの経済は年率8%と順調に拡大を続けているが、国内には製油所がなく、石油製品は全量輸入に頼っている。重要なエネルギー供給事業を通じて、ベトナム経済の発展に貢献したい。クウェートとの関係強化が図れる意義も大きい。

■田中稔一・三井化学副社長の話
 出光興産とは石油精製と石油化学のインテグレーションを目的とした包括的な連携関係を構築してきたが、その結果、強固な信頼関係ができあがった。当社は92万トンのフェノールをもっているが必要なベンゼンは5割強しか自製できていない。原料の安定確保という意味でも重要なプロジェクトとなる。

【合弁会社の概要】
(1)会社名  (仮称)ニソン精製有限責任会社
(2)所在地  ベトナム社会主義共和国タインホア省ニソン経済区
(3)設立   2008年6月投資ライセンス取得後設立
(4)資本金  2億米ドル(約200億円)
(5)出資比率 出光 35.1%、KPI 35.1%、PVN 25.1%、三井 4.7%
(6)精製能力 日量20万バレル
(7)建設費用 約58億米ドル(約5,800億円)

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1206607059.pdf