2008年03月31日
新第一塩ビ、高岡工場停止で3工場体制に集約
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:新第一塩ビ、ゼオン化成、日本ゼオン

 新第一塩ビは、出資会社である日本ゼオンとの塩ビ製造委託契約が3月31日付で終了したため、高岡工場での特殊塩ビ樹脂(ペースト樹脂)の生産を停止した。しかし特殊塩ビの生産体制については、今年1月愛媛工場に設備の集約化と効率化を完了したため、製品の供給に支障はないとしている。
 
 同社は1995年7月にトクヤマ、日本ゼオン、住友化学の塩ビ事業を引き継ぎ、製販一体の統合会社として設立された。工場は徳山、千葉、高岡、愛媛の4カ所にあり、汎用塩ビ樹脂は徳山(年産能力14万5,000トン)と千葉(8万トン)、特殊塩ビは高岡(4万トン)と愛媛(2万7,000トン)にそれぞれ製造委託(合計能力29万2,000トン)してきた。
 
 このうち日本ゼオン・高岡工場の4万トン設備が31日付で停止したことになる。
 
 しかし新第一塩ビでは、これまでに経営基盤の強化・再構築に向けた取組みを行なってきた。愛媛工場の特殊塩ビ樹脂設備を7,000トン増強して年産3万4,000トンとしたほか、約80種類あった特殊塩ビのグレード数を、需要家の協力を得て25種類まで絞り込んだ。また、採算性の低い輸出を大幅削減し、国内市場向けに重点を置いた販売活動を展開してきた。
 
 生産拠点は千葉、徳山、愛媛の3工場、供給能力は愛媛工場の増強分を含めて25万9,000トンとなったが「引続き収益力向上に全力をあげる」と同社ではいっている。
 
 なお、日本ゼオンでは「今後は、ポリマー事業に携わることはないが、塩ビ系コンパウンド事業は、子会社のゼオン化成が引き続き推進していくことになっている」といっている。また新第一塩ビへの出資問題(現在14.5%)については「最終的には引き上げることになると思う」とコメントしている。